都市は豪雨に弱い

2020/07/13
都市は豪雨に弱い

梅雨前線に伴う大雨発生において、被災された皆様には心よりお見舞い申し上げます。
例年、梅雨の後半は水害が起こりやすくなっていますが、今年も各地で豪雨被害が相次いでいます。
2年前の西日本豪雨の際も、数十年に一度などと言われていましたが、今は数十年どころか毎年どこかで災害が起こっています。

一般的に6月から10月頃を出水期と言います。
出水期は梅雨や台風の時期などで、川が増水しやすい時期のことです。

これから夏に向け、突然の豪雨の発生の確率も高まります。
かつては夕立やにわか雨、神立という風情ある呼び方で、夏の風物詩とも言える事象でしたが、2008年にゲリラ豪雨という言葉が出てきたように、最近の豪雨は凶悪さを増しています。

短時間にまとまって降る強い雨を局地的大雨、集中豪雨といいます。
局地的大雨では、強い雨は一過性で短時間で収まりますが、集中豪雨はそれが繰り返し起こります。
そのため集中豪雨は、豪雨の継続時間が長く総雨量も多くなるため注意が必要です。


集中豪雨は人的にも危険を伴います。
豪雨の雨量と激しさは相当なものですから、傘をさしていても全身がずぶ濡れになります。
また、車を運転している場合などは雨の激しさで前が見えにくくなり危険です。場合によっては道路が冠水する事もあります。
中小の河川の氾濫や、浸水の被害なども起こる危険性もあります。

土砂災害や、河川の氾濫などに気をつけ、自宅の場所や職場などのハザードマップを確認しておくことも重要です。
 

都市部では

都市部では、コンクリートに覆われているため、下水の処理量を超えた雨水が地下鉄や地下街、地下駐車場や低地に流れ込むなどの危険性をはらんでいます。
東京で大規模水害となるのは下記の二つです。

・荒川の決壊
・東京湾の高潮

東京都建設局の発表によると、高潮が起きた場合、浸水区域内の人口(昼間)は約395万人、浸水が想定される区は17区(千代田区、中央区、港区、新宿区、文京区、台東区、墨田区、江東区、品川区、目黒区、大田区、北区、荒川区、板橋区、足立区、葛飾区、江戸川区)にも及ぶとのことです。

また、台風19号の際の江戸川区から発信された「ここにいてはダメです」というメッセージを覚えていらっしゃる方も多いと思いますが、東京都内を流れる荒川の氾濫を想定して、流域の墨田区、江東区、足立区、葛飾区、江戸川区の5つの区が共同で避難計画を発表しています。
これは、5つの区の住民の9割以上に当たる250万人に、都外などへの広域避難を促す大規模な計画です。これだけの人数が一斉に避難するのですから、避難場所の確保や、渋滞、支援が必要な人への対応など問題は山積みです。


また、この5つの区以外に住んでいる方以外は関係ないかというとそんなことはありません。まず、荒川流域が水没した場合、地下鉄網を通って水が都心にも流れ込みます。
東京駅など100駅以上で浸水被害が予測されています。
地下鉄もJRも交通網は全て使えなくなります。
また、広域での停電、上下水道や都市ガスなどのインフラが破滅的な打撃を受けるとも想定されています。
個人にとっても、企業にとっても、水害への対策は必須です。
 

台風や洪水は予測可能

台風や洪水は地震と違い予測が可能です。危険と予測された場合は、避難などの対応を取りましょう。
また、暗くなってからの避難は危険ですので、明るいうちに避難しましょう。

日頃から自宅や職場のハザードマップを確認し、海抜0m地帯と呼ばれる地域や、浸水想定区域にお住まいであれば、避難先を確保し避難する方法も検討しておきましょう。
それ以外の地域でも停電やインフラが途絶えた場合に備えて備蓄をするなど、住んでいる地域に応じた対策を講じましょう。

それでは、集中豪雨にあってしまった場合はどうすれば良いでしょうか?
 

集中豪雨にあった場合の対応

◇屋外にいる場合
・近くの建物に避難し、豪雨が収まるのを待ちましょう。
・地下街や地下鉄の駅にいる場合は、浸水することも考え地上階へ避難しましょう。
・河川の近くや低い地形の場所を歩いていた時は、その場所から離れましょう。
・河川や用水路などには近づかないようにしましょう。
水が溢れていた場合は、そこを通るのはやめましょう。浅く見えても流れに足を取られ、流される危険性があります。
また、側溝の蓋が外れていた場合、気づかずに落ちて流されてしまうケースも発生しています。

◇車に乗っている場合
・立体交差など冠水しそうな場所は避けましょう
エンジンに浸水して車が動かなくなってしまったた場合は、修理が必要です。周囲の水位が上がるとドアを開けることができなくなるため、少しでも早く車から脱出しましょう。
・視界不良の場合は、速度を落としハザードランプなどを点滅させてゆっくり走行しましょう。車を止められる場所があれば、雨が落ち着くまで待ちましょう。

 

台風・川の氾濫が予測されている場合

◇ハザードマップの危険な場所にいる場合
・安全な場所まで直ちに避難してください。
避難勧告が出てからでは遅いのです。浸水のスピードは早く、気がついたら逃げられなくなっていたという事態も多いです。
 

垂直避難は水が迫ってきた場合の最終手段

垂直避難は水が迫ってきた場合の最終手段です。
最近、メディアで垂直避難しましょうという放送がされているせいか、家に留まる人が多いように思います。
3m以上の浸水が予測されている地域では、屋根の上まで水が来る可能性があります。屋根や屋上に避難できたとしても、水が長時間ひかなければ救助を待つしかありません。
荒川決壊の場合は、水が引くまでに2週間から1ヶ月と予測されており、孤立者は70万人と言われています。これだけの人数の救助にはどれだけの時間がかかるかわかりません。
マンションの上層部などの場合でも、水が引かなかった場合は、電気や水道も使えないままの避難生活を長く続けることになります。

また、メディアを見ているとこんなこと初めてという方が多くいらっしゃいます。
けれどその土地の歴史を調べてみれば、過去に大規模な水害が発生していたという場所は多くあります。
数十年に一度の水害ではなく、毎年の大規模水害が常態化している現在、自分にも関係あることとして、お住いの地域や職場の歴史やハザードマップを確認してみてはいかがでしょうか。

集中豪雨は突然やってきますが、最近は豪雨を予測してくれるアプリもあります。また、繰り返しますが台風や洪水は予測できます。
いざという時に避難できるように、日頃から避難場所や避難方法、非常用持ち出し袋なども用意することが大切です。
また、危険が予測されている場合には、危険を感じてから逃げるのではなく、避難したほうがいいかもしれないと思った時点で逃げてください。
暗くなってからの避難は危険です。明るいうちに行動を起こしましょう。